層雲峡ビジターセンター

2009年11月

2009/11/04 14:49
復旧と初雪
2009年11月4日 小雨 8℃(15:00)

 実は先週の落雷により、しばらくインターネットが不通になっておりました。回線直撃の為、電話もファックスもみんなダメ。丸一日、陸の孤島となっていま した。何とかその日の夕方には電話はつながるようになったのですが、インターネットの方は壊れたルーターの修理に数日を要し、本日やっと復旧した次第で す。
 さて、この雷が「雪下ろしの雷」となり、先週金曜日は層雲峡だけではなく、旭川や上川などの平野部もついに初雪を迎えました。これが名残りとなった柳の黄色い葉も真っ白に雪を被り、峡谷は一夜にして雪景色。物置にしまっていた除雪スコップも半年振りの出番です。
 毎年の事でありながら、こうも唐突に新しい季節が訪れた朝は新鮮です。こうして踏みしめる新雪の感触を味わいながら、長い冬の始まりを思うのです。

 写真:温泉街神社裏にある黒岳登山口 
(11/4)
2009/11/08 16:17
さよなら・おかえり
2009年11月8日 晴れ 11℃(15:30)

 朝の楽しみは庭先に訪ねてくる野鳥たちを窓越しに眺めること。11月になってもまだ腰を落ち着けていたルリビタキもこのところ顔を見せず、ついに南へと旅立ったのか。長い旅路、無事でありますように。
 土手に面した山葡萄の蔓は、鳥たちの憩いの場となっているようで、太っちょのゴジュウカラが虫探しに精を出し、先に食事をしていたコゲラやシマエナガも 遠慮するぐらい。一方、カケスが地面でしきりに何かを啄ばんでいる様子、一体何を?と見てみると、どうやらカメムシが目当てらしい。カメムシが減ってくれ るならありがたいとカケスに感謝するも、何せここはカメムシ王国。どうしても供給量が消費量を上回ってしまうのです。
 旅立ってしまう鳥もいれば、越冬にやって来る鳥たちもいます。ツグミの賑やかな一団が北からやってきました。落ち葉をパッパッとひっくり返し、虫を探す姿が面白い。
 葉が落ちて、森はすっきりと見通しが良くなりました。野鳥観察には丁度良い季節です。

 写真:ゴジュウカラ(層雲峡 11月)
2009/11/11 16:46
ヒグマたちの冬
2009年11月11日 雪 8℃(16:30)

 昨日から降り積もった雪は、見る見るうちに山あいの林道を白で覆い隠してしまいました。その白の中で、この大きな足跡はとても目立ち、私をドキリとさせ るには十分でした。なぜなら、ベタベタとついた足跡の傍にはエゾシカの死骸があったからです。エゾシカには食べられた形跡があり、足跡も新しかった為すぐ にその場を離れました。
 ヒグマが冬ごもりに入るのは個々の生理状態により差がありますが、早い個体では11月中旬頃から入るそうです。もしかすると、もう穴を探している頃かも しれません。しかし、厳冬期に雨が降ったり、平均気温が上昇したりと、異常気象や温暖化が叫ばれて久しい今年。これがいきものたちの生理にも少なからず影 響を与えているのです。今年はどんな冬になるのでしょうか。ヒグマたちに安眠は訪れる?

 写真:林道に続くヒグマの足跡(11/11)
2009/11/14 11:16
冬に鳴く虫
2009年11月14日 雨 2℃(11:00)

 冬でも鳴く虫がいることをご存知でしょうか?
 じつは、紅葉谷入り口周辺では真冬でもこの虫の鳴き声を聞くことが出来るのです。
 それは「マダラスズ」というコオロギで、真冬に鳴く虫として知る人ぞ知る存在です。真冬といえば外は当然氷点下。コオロギが鳴いているなんてちょっと信 じられないような気がしますよね。普通なら夏頃から発生し、冬は卵で越冬しているはずです。なのになぜ紅葉谷のマダラスズは冬でも見られるのでしょうか?
 紅葉谷入り口周辺は層雲峡温泉の源泉地になっていて、いくつもの湧出口が覗いています。その暖かい地熱のおかげで、寒い冬でもマダラスズは活動していられるのです。他にも屈斜路湖畔などの地熱帯で冬に鳴くことが知られています。
 冬に鳴く虫の声を聞いてみませんか?耳を済ませば、落ち葉の下からジージージー・・・と奏でる声が聞こえてくるはずです。

 写真:マダラスズ(11/13 紅葉谷)
2009/11/17 14:23
再生
2009年11月17日 雪 1℃(14:30)

 裏のシナノキが雪の重みで倒れ、林道を塞いでしまいました。嗚呼ついに倒れたか〜と横たわる幹を潜り抜けると、キノコの硬い笠が頬をこすりました。
 その木にはもうずっと以前からサルノコシカケ(の仲間)が生えていて、キノコに摂りつかれてしまった幹は傍目から見てもぼそぼそと元気がありませんでし た。キノコには木材腐朽菌と呼ばれるグループがあり、枯れた木や生きた木を腐らせます。サルノコシカケと総称される硬いキノコの仲間や椎茸、ナメコなどは そのグループです。
 春になって野山に出かけると、倒木や大きく折れた枝をよく目にします。それが馴染みの木だったりすると、とても寂しく思うのですが、年老いて弱った木が 菌類によって分解され、こうして朽ちていくのは新しい森を再生する上でとても大切なシステムです。もし分解してくれる菌類がいなければ・・・。想像してみ て下さい。数多の遺骸で溢れた世界を・・・。

 写真:シナノキについたサルノコシカケの
仲間 (11/17)
2009/11/20 14:33
黒岳スキー場オープン
2009年11月20日 曇 −5℃(14:30)

 ようやく7合目の積雪が90〜100cmに達し、本日黒岳スキー場がオープンしました。積雪不足のため今日まで延期になっていましたが、もちろん天然雪 のスキー場としては日本一早いオープンです。テープカットの後、早速スキーヤーやボーダーがしゅ〜っと気持ち良さそうにシュプールを描き、初天然雪を楽し んでいました。スキー場のオープンを待って、ここ数日間センターで時間潰し・・・、いえいえ遊びに来てくれたお客様も、今日は朝からスキーを担いでロープ ウェイに向かう姿が見えまして、いや〜良かったですね〜。
 それにしても、ほぼ予定通りのオープンとなった昨年を除くと、ここしばらくは積雪不足の為にオープンがずれ込む年が少なくないような気がします。その原因に気候の変動があるのでしょうか?

 写真:黒岳5合目(11/20)
2009/11/23 12:37
雪面の軌跡
2009年11月23日 曇 3℃(12:30)

 雪が地面を隠すようになると、逆に見えるようになるものがあります。これは雪面に残されたミヤマカケスの3つの軌跡です。足跡とくちばし、そして翼の跡。
 推測するとこうです。・・・トドマツの林にお腹を空かせたミヤマカケスがいました。おっと雪上に美味しそうなもの発見。狙いを定め、両の肢で綺麗に着地、ぴょんぴょんと2歩、パクッと啄ばむと飛び去っていきました・・・。
  
 写真:写真右端が着地点、足跡の先に嘴の跡
              (11/23)
2009/11/25 10:33
雪面の軌跡 その2
2009年11月25日 曇 2℃(10:30)

 まだヒグマは冬眠していないようです。
 日中は比較的穏やかな日が続いています。眠りに付くには早いと歩き続けるヒグマたち。冬眠前ギリギリまで脂肪を蓄えなければなりません。
 エゾシカ猟の標的になったエゾシカの血痕を追いかけ、足跡は沢を渡り森の奥へと消えていきました。

 写真:ヒグマの足跡(11/25)
2009/11/29 10:20
ヤナギの勘違い
2009年11月29日 晴れ −5℃
(10:00)

 太陽が昇ってしばらくすると、鳥たちがやって来て木々に積もった雪をふり落としていきます。その柳の枝先を見ると、ほころびた冬芽から銀色の絹毛がポンポンと顔を出していました。
 いくら早春から芽吹く柳の種類とはいえ、褐色の冬芽が割れて、中から絹毛が覗き始めるのは普通3月、4月頃からです(上川近郊)。2月末頃でも日中暖か くなると、せっかちな絹毛姿を見かけることがありますが、今はさすがに季節外れ。一定の低温にさらされ、その後に暖かくなると初めて開花する桜のように、 「春が来たセンサー」が作動し芽吹いてしまったのでしょうか。それともひとときの陽射しにただ早とちりしてしまったのでしょうか。
 冬はこれから深まるばかりです。すっかり萎れた残り葉が、枝にしがみつき風にブルブル揺れていました。

 写真:エゾノキヌヤナギ(陸万 11/29)