層雲峡ビジターセンター
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コマクサ はじめました
2010年7月5日 晴れ 22℃(15:00)

 やはり早いです。例年ならまだパセリのような葉っぱがポツリポツリと目立つだけのコマクサ平ですが、ことしはすでに見頃に入っています。薄紫のイワブクロ、黄色い花のキバナシオガマ、と、三色揃い踏みの様相を呈してきました。コマクサ平の花は七月初旬にしてすでに最盛期を迎えつつあります。

 【雪渓状況】
 登山口〜第一花園〜見晴し台:植物帯によって数個に分断されつつあるが、斜面の大半が雪で覆われる。長いトラバース四カ所あり。雪面の状況によっては滑落に注意が必要。
 第二花園・奥の平:全面雪で覆われる。
 第三雪渓・第四雪渓:上部で夏道が出はじめているが、ほぼ全面雪で覆われる。

 【開花状況】
 奥の平上:ジンヨウキスミレ↑
 コマクサ平:コマクサ↑ チシマキンレイカ○ イワブクロ○ キバナシオガマ○
 赤岳山頂付近:イワブクロ↑ チシマキンレイカ○ タカネスミレ↓ キバナシオガマ○ チョウノスケソウ↓

 写真:コマクサ(コマクサ平)
栄枯盛衰
2010年7月6日 くもり 21℃(15:00)

 コマクサ平を歩いていたときのこと。足下でパタパタと動くものに気がつきました。見ると"黒山の"蟻(ツヤクロヤマアリ?)にたかられ、振りほどこうと必死にあがいているウスバキチョウ。羽はすでにかなりすり切れていて、どうみても勝ち目はなさそうです。だけど、ときには体を反転させて、蟻の攻撃から逃れようと、最後の力を振り絞っています。やがて動かなくなり、蟻のエサになるのだろうけど、それでも生きようとするその姿に熱いものを感じました。小さな小さな、だけど、素晴らしい自然のドラマでした。

 写真:ウスバキチョウにたかる蟻(7月5日 コマクサ平)
稜線の花は後半戦
2010年7月9日 くもり 18℃(14:10)

 山の稜線では、花の種類が増え全体的に見ても最盛期を迎えているものが多くなっています。そんな中、黒岳山頂周辺で今もっとも旬の花がイワブクロです。エゾツツジやコマクサなども咲いていますが、両者ともイワブクロより早くから開花しているので、ここ数日前からは少しお疲れ気味になってきています。
 その稜線の花も、そろそろ後半戦ですのでまだお目当ての花を見ていないのであれば、早めの登山をオススメします。(前回も記載しましたが、黒岳、赤岳、緑岳の稜線に咲く花は例年より10日ほど開花が早いです。雪の多いところに咲くチングルマなどはこれから咲き始めます)

【開花状況・黒岳】 チシマノキンバイソウ○、ウコンウツギ○、イワブクロ○、エゾツツジ○、チングルマ○、メアカンキンバイ○、キバナシャクナゲ○、コマクサ↓

【雪渓状況・黒岳】 黒岳7合目〜8合目に数ヶ所の雪渓が残る。特に8合目周辺に多く残り、いちばん長い雪渓で約35m程。どの雪渓も下山時は注意が必要です。

 写真:黒岳稜線に咲くイワブクロ 7/7
ユニ石狩岳
2010年7月12日 雨 19℃(13:30) 

 登り約3時間程度で、途中、巣穴が多く残っている「鳴兎園」で、ナキウサギの姿を観賞しながら、岩や樹木が堆積している「大崩れ」「小崩れ」、ここを通過後、登山道に出る。

 お花も、ミヤマハンショウヅル、ヒメイソツツジ、ハクサンチドリなどが咲いており、飽きのないコース。やがて、円形の丘が見えてきますが、この丘が十石峠。ここからは、ニペソツ山をはじめ、ウペペサンケ山、クマネシリ山群などが望め、眼下には、樹海の広がりが素晴らしいです。

 さらに、十石峠から急登を、コマクサやエゾツツジ、イワブクロの小群落を楽しみながら、約1時間でユニ石狩岳へと到着になります。このコースは、お花も30種類以上あり、またナキウサギも時折みられ、十石峠・ユニ石狩岳からの山容も見ごたえがあります。

 途中、雪渓が中小に分断されて4箇所あり、雪渓の始まりと終わりは、若干凍りついているところもあり、要注意です。

【開花状況】
エゾノレイジンソウ、ギンリョウソウ、ヒメイチゲ、ウコンウツギ、ハクサンチドリ、イワブクロ、コマクサ、エゾツツジ等々

 写真:ユニ石狩岳へ 7/11
黒岳九合目
2010年7月14日 曇 23℃(16:00)

 黒岳九合目のウコンウツギ・チシマノキンバイソウの群落です。残花もあるものの、十分に見ごたえのある九合目です。  七合目〜八合目にかけては、雪解け後のためお花はまだ早い感がありますが、これから徐々に咲いてくると思われます。

【開花状況・黒岳】  ウコンウツギ、エゾヒメクワガタ、カラマツソウ、チシマノキンバイソウ、トカチフウロ、ハクサンチドリ、ミヤマキンポウゲ、モミジカラマツ、ヤマブキショウマ、イワギキョウ、エゾイワツメクサ、エゾツツジ、コマクサ、メアカンキンバイ等

【雪渓状況・黒岳】  黒岳七合目〜八合目にかけて数ヶ所の雪渓が残っています。
 4箇所程度ですが、距離も短いものであり、そろそろ消雪しそうです。しかし、まだまだ雪解け後の悪路や、下りは要注意です。

 写真:黒岳九合目7/14
赤石川
 7月14日現在の赤石川の状況です。写真の通り、まだ雪渓の上を渡ることが出来ます。但し、スノーブリッジのような形になっており、天候の状況によっては、いつまで雪渓上を渡れるか微妙なところです。既に、雪が落ちて蛇カゴ(雪渓がなくなりますと、この上を渡っていただきます)も見えはじめていますが、近日中に、安全のため雪切を行う予定です。  通過の際は、十分注意して渡って下さい。

 写真:赤石川7/14
北鎮岳分岐下雪渓
北鎮岳分岐下の雪渓です。6/28の状況とさほど変化はありません。下部(黒岳側)と上部(分岐下)は、やや雪解けが進んでいますが、全体的にはまだ、150m程度の雪渓です。
 本日、7/14は気温も高く、雪面が凍りついている場所はありませんでしたが、天候の状況によって、アイゼンが必要な場合もまだあります。十分注意して登って下さい。

 写真:北鎮岳分岐下にて 7/14
黒岳石室〜雲の平
 雲の平周辺の状況です。全体的にはお花のピークは過ぎてきました。但し、石室から向かう周辺では、写真の通りまだまだ群落が形成されている場所もあります。
 キバナシャクナゲ、エゾコザクラ、ミヤマキンバイ、ミネズオウウ、エゾノツガザクラ、チングルマなどが所狭しと競いあって咲いていました。お早目の山行をオススメします。

 写真:黒岳石室から雲の平へ 7/14
「青」が来た!
2010年7月16日 曇 26℃(15:30)

 「稜線の花はもう盛りを過ぎて」と、書き出すことになるのだろうという予想は大きく外れました。緑岳山頂から小泉岳方向にすこし歩いてみると、あらッ、ビックリ。エゾハハコヨモギの白緑の葉が包む山肌のあちらこちらに、鮮やかなピンクのエゾツツジの花・花・花。そして足下のそこここに上品な青紫色のチシマギキョウが!稜線は夏本番。ついに「青」の季節が来ました。風衝地好きな方にはこの三連休のオススメ・スポットです。
 とはいえ、山腹部にはまだまだ残雪も多いので、お出かけの際には地図とコンパスを忘れずに!

残雪の状況:
第一花畑木道終点付近から約180mの雪渓
第二花畑木道終点付近から約150mの雪渓
第二花畑上部からエイコの沢ガレ場まで1枚の雪面が続く(分断されつつあるが、視界不良時要注意)

開花状況:
登山口周辺:ダイセツヒナオトギリ↓・ヨツバヒヨドリ↑
樹林帯:ゴゼンタイバナ↑・ミツバオウレン↓
第二花畑:エゾコザクラ(咲き始め)
エイコの沢ガレ場:トカチフウロ↓・ヤマブキショウマ↑
緑岳斜面:コマクサ↓・エゾイワツメクサ↓・ヒメイワタデ↑・シラネニンジン↓・メアカンキンバイ↓・イワブクロ↓
緑岳山頂〜板垣分岐:エゾツツジ↓・エゾイワツメクサ↓エゾタカネツメクサ↑・ヒメイワタデ↑・クモマユキノシタ↑エゾハハコヨモギ↑・イワブクロ↓・チシマキンレイカ↓・コマクサ↓・メアカンキンバイ↓・チシマギキョウ↑

写真:白雲岳を背景に咲くチシマギキョウ(ピンクはエゾツツジ、白はエゾタカネツメクサ)
登山道の残雪状況
2010年7月17日 くもり 21℃(14:00)

 7月前半は天気も不安定で雨の多い日が続きましたが、ここ数日は、好天にも恵まれ山の雪解けもかなり進んでいます。しかし場所によっては普段よりも雪が多いところがあるので、特に本州からの登山者にとっては頭の痛い問題となっています。(センターへの問い合わせの大半は雪渓状況です)各登山コース(黒岳、赤岳、緑岳)の雪渓状況に共通していることは、例年よりも厚みのある雪渓が多いということです。なかでも赤岳コースの第3雪渓では、いまだに登山道が出ていない状態なので、登山者は150m以上の雪渓を、ほぼ直登するように登り下りしています。雪道が苦手な登山者にとっては、どのコースもまだまだ苦労する登山が続きそうです。

【開花状況・赤岳】
コマクサ平:コマクサ↓、イワブクロ○、チシマツガザクラ◎
第3雪渓:チングルマ○、エゾコザクラ○
第4雪渓:エゾノツガザクラ○、エゾコザクラ○、チングルマ○
赤岳山頂:エゾツツジ○、タカネツメクサ○、チングルマ○

【残雪状況】 (第1花園)42、31m・(第2花園)125m・(奥の平)103m・(第3雪渓)175m・(第4雪渓)20,12,35m*数値は登山道上に残る大まかな距離です

 写真:赤岳第3雪渓 7/16
赤石川増水中
2010年7月21日 くもり 17℃(7:00)

 7月20日現在、赤石川は状況が一変しました。 写真は16日現在のものですが、急激に雪解けが進み雪渓の上を歩くことはできません。
 状況は毎日変化しますが、今のところ水量が多いため、スパッツ・ストック等の装備の携行をおすすめします。蛇カゴの上を渡ることになりますが、場合によっては水中歩行になります。

 写真:赤石川雪渓7/16
夢のあと
2010年7月24日 くもり時々晴れ 19℃(13:00)

 急な斜面を登りきり、緑岳の山頂に立つと、冷たい北西風が吹きつけました。稜線のようすは一週間ですっかり様変わりし、賑やかに咲き誇っていたエゾツツジの赤い花はほとんど姿を消し、花の終わったホソバウルップソウとひょろひょろと地面から突き出たエゾハハコヨモギが、ゆらゆらと幽霊のように風に揺れているのが目立ちます。先週7月16日にご紹介したチシマギキョウの株を捜して板垣分岐方向へ歩を進めると、花の命は短し!すっかり花を落とした姿に変わっていました。まだ咲き残っている株も、花は元気なく頭を垂れ、落ちるのを待っているようなようすでした。稜線はまさに「強者どもが夢のあと」的な終わった感が漂っています。
 一方、ここしばらくの雨で、第一・第二花畑の雪は急激に解け、雪解けのあとからエゾコザクラやミヤマキンバイなどの雪田植物が次々と開花をはじめており、こちらのほうはようやく始まってきたなという印象です。これから8月にかけて見頃を迎えそうです。

開花状況
第一花畑:キバナシャクナゲ・ジムカデ(咲き始め)ミヤマキンバイ↑・エゾコザクラ↑
第二花畑:キバナシャクナゲ↑・ミヤマキンバイ↑・エゾコザクラ↑チングルマ◯
岩塊斜面:メアカンキンバイ↓・エゾイワツメクサ↓・イワギキョウ↑・チシマツガザクラ↑・イワブクロ↓・ヒメイワタデ↑・ウスユキトウヒレン↑
山頂〜板垣分岐:イワブクロ↓・ヒメイワタデ↓・ウスユキトウヒレン↑・チシマギキョウ↓・エゾイワツメクサ↓・エゾタカネツメクサ↓・エゾハハコヨモギ◯・チシマツガザクラ↑・シラネニンジン↓・エゾツツジ↓・サマニヨモギ↓

雪渓状況
 ここ一週間で急激に雪解けが進んだ印象。第一花畑は木道が完全に露出した。第一花畑上部斜面に100m程の雪渓が残る。第二花畑上部からエイコノ沢ガレ場までは、雪の斜面が、下から約10m,50m,15m,10m,25mの五個の雪渓に分断されている。

写真:盛りを過ぎたチシマギキョウ(緑岳山頂付近)7月23日
雪解けあと
2010年7月25日 くもり 20℃(11:50)

 ここ数日は、連日の雨と高い気温の影響で、遅くまで残っていた雪渓も随分と解けてきました。なかでも赤岳第1花園にある長く急な斜面の雪渓も23日には、ほぼすべて消失して随分と歩きやすくなりました。まだ多くの残雪がある赤岳コースですが、これからさらに雪解けが進むことで、また新たな花のシーズンを迎えようとしています。

【開花状況・赤岳】
第1花園:アオノツガザクラ↑・エゾコザクラ↑・チングルマ↑・ウコンウツギ○
コマクサ平:コマクサ↓・イワブクロ○・チシマツガザクラ○
第4雪渓:チングルマ○・エゾノツガザクラ↑
赤岳山頂:イワブクロ↓・タカネツメクサ↓

【雪渓状況】 第1花園看板手前に約17mの雪渓が残る。第2花園は約104mが残る。奥の平は約10、11mが残る。第3雪渓は約96m残る。第4雪渓は21日ころに消失。(消失と記載している場所は、登山道上に雪渓が無いことを指しますが、周辺には残雪がある場合もあります)

写真:エゾノツガザクラ群生 7/23
続報・北鎮岳分岐下雪渓
2010年7月25日 くもり 20℃(15:00)

 北鎮岳分岐下雪渓の続報です。
本日は、早朝から雨。山の気温も低く推移しました。そのような天候状況も重なり、雪渓の状況は一段と悪化していました。
 雪解けが進んでおりますが、いまだ雪渓は100m程度の距離となっています。雪面が非常に硬く、本日はアイゼンなしでは登ることは不可能でした。また、分岐側からお鉢平展望台へ向かう場合、濃霧時は大変に迷いやすくなっています。
 装備を万全に、安全な山行をお願いします。

写真:北鎮岳分岐下雪渓7/25
黒岳〜北鎮岳
2010年7月27日 くもり 24℃(11:00)

 お花の状況をお知らせします。
黒岳から石室を経て、お鉢平展望台から北鎮岳コース、残念ながらお花のピークは過ぎた感じです。
 写真の通り、ダイセツトリカブト(黒岳九合目付近)やミヤマリンドウ(雲の平)など秋のお花が目立ってきました。
 但し、ピークは過ぎたものの、黒岳九合目付近のチシマノキンバイソウ、ミヤマキンポウゲ、ハイオトギリ、ウメバチソウなどは、まだまだ綺麗に咲いています。
 また、黒岳石室周辺では雪解けとともに、再度エゾコザクラ等のお花も咲いてくると思われます。
 雲ノ平ではいまだチングルマ、チシマツガザクラ、エゾノツガザクラ等の群落がまだ頑張って残っています。全てが終わったわけではありませんので、まだまだお楽しみいただけると思います。

【開花状況】
 [八合目]:ウコンウツギ↑、ミヤマキンポウゲ↑、チシマノキンバイソウ↑、ヤマハハコ↑、カラマツソウ↑など
 [九合目]:ウメバチソウ↑、コガネギク↑、ダイセツトリカブト ↑、ハイオトギリ↑、チシマノキンバイソウ→、ミヤマキンポウゲ→、トカチフウロ→、ハクサンチドリ→、ナガバキタアザミ→
 ウサギギク→、など
 [山頂〜石室]:イワギキョウ↑、コガネギク↑、ウスユキトウヒレン↑、シロサマニヨモギ↑、イワブクロ→、エゾイワツメクサ→、ヒメイソツツジ→、コマクサ→、チシマツガザクラ→、ヨツバシオガマ→、など
 [雲の平〜北鎮岳]:ミヤマリンドウ↑、チシマツガザクラ↑、イワギキョウ↑、コガネギク↑、イワブクロ→、コマクサ→、エゾノツガザクラ→、アオノツガザクラ→、チングルマ→、タカネスミレ→、など

写真:ダイセツトリカブト(黒岳九合目)7/25
キツネに注意です
2010年7月28日 くもり 28℃(15:00)


 黒岳石室から雲の平周辺に、数頭のキツネが出没しています。 石室の中にまで入ってくるものもいるようです。
 石室でのテント泊や、登山道周辺での休憩の際には、身の回りのものに十分注意をして下さい。

写真:キタキツネ(雲の平にて)7/25 
続報・北鎮岳分岐下雪渓状況
2010年7月31日 くもり 26℃(15:00)

 続報です。 相変わらず分厚い雪渓です。距離は縮まったものの,いまだ100m弱の雪渓です。本日は、ストックで何とか登れるといった感じでしたが、天候状況によっては、やはりまだまだアイゼンが必要になると思われます。また、分岐側から雪渓までは雪解けが進み、少しずつですが登山道が出てきています。但し、濃霧時は大変に迷いやすいです。
 装備を万全に、安全に山行して下さい。

写真:北鎮岳分岐下雪渓中間地点7/31
続報・赤石川
2010年7月31日 くもり 26℃(15:30)


 赤石川の状況です。
写真の通り、本日現在は水量も少なく蛇カゴの上を歩けました。天候状況によっては増水し、足もとが完全に水に入ってしまいます。
 スパッツやストックは必ずお持ちになって下さい。 また、水量が多い場合は水の勢いも増すため、無理をせず、安全な山行を心がけて下さい。 写真:赤石川7/31