ビジター山だより

北鎮岳分岐下雪渓

2022-08-05 17:05

気温 23

8月に入りましたが、まだまだ北鎮岳分岐下の雪渓は大きく残っています。

以前は赤いマーカーのところに階段状のステップがついていましたが、現在は本来の登山道(石に黄色のマーカーが付けられています。)に近いところに階段状のステップがついています。こちらには赤いマーカーは付けられていませんが、しっかりと階段状に足跡が残っているため、わかりやすいです。今日は雪も柔らかく、傾斜が急なところは階段状になっているため、上り下りとも問題なく歩くことができました。

しかし、濃霧時や雪面が固い場合などは注意が必要です。迷ったり、滑落したりしないよう、ご注意ください。
 
北鎮岳分岐下周辺では、イワブクロやメアカンキンバイ、ウスユキトウヒレン、ヒメイワタデが見頃でした。クモマユキノシタも咲いていました。この花は、お鉢平の周りでよく見られる花です。熊に気をつけながら、お花も楽しんでください。

写真:北鎮岳分岐下、クモマユキノシタ(北鎮岳分岐下周辺)

黒岳北東斜面

2022-08-05 16:00

気温 25

ロープウェイに乗っている時はガスがかかり周りは真っ白でしたが、ロープウェイ黒岳駅に近付いたとたん、パァーッと霧が晴れて青空に!そして、七合目のロッジに着く頃には、眼下に見事な雲海が広がっていました。雲海の上にそびえ立つ屏風岳は神々しかったです。

黒岳の登山道では、夏の花もそろそろ終わりを迎えつつあります。チシマノキンバイソウはまだ咲いていますが、ぐっと数が減り、替わりにダイセツトリカブトやミヤマアキノキリンソウ、チシマアザミ、ナガバキタアザミなどの秋の花が目立っています。特に、アザミ類の範囲が広く、八合目あたりから山頂までずっと登山道脇はアザミ類の花で覆われています。そんなアザミ類の足下では、ハイオトギリが咲き誇っています。
黒岳北東斜面は、8月に入っても賑やかです。

写真:黒岳北東斜面から眺めた雲海と屏風岳、チシマアザミとオニシモツケ(黒岳山頂下)

紅葉谷

2022-08-04 17:20

気温 22

久しぶりに紅葉谷へ行ってきました。花々の様子はすっかり様変わりし、夏の終わりの趣でした。

層雲峡温泉街から紅葉谷へ向かう道沿いではクサノオウ、ツユクサ、キツリフネ、イケマ、イヌタデ、ヨツバヒヨドリ、ハンゴンソウなどが開花しており、紅葉谷の東屋周辺ではナミキソウが小群落を形成していました。

紅葉谷ではキツネノボタン、サラシナショウマ、ミヤマタニタデ、ホザキナナカマド、コモチミミコウモリ、エゾクロクモソウ、オククルマムグラ、ダイモンジソウ、ノリウツギ、エゾアジサイなどが咲いていました。
本当に小さくて見逃してしまいそうな花も多いですが、ゆっくり歩きながら多種多様な花々をお楽しみください。

写真:ノリウツギ、エゾアジサイ(紅葉谷)8/4

沼ノ原

2022-08-03 14:00

気温 22

 8月に入ってもスッキリしない天気が続いている層雲峡です。本日は沼ノ原登山道を大沼まで往復してきました。

 駐車場に入るとすぐ、クチャンベツ登山口の案内板にヒグマのマーキング跡を見つけました。ずいぶん派手に引っ搔いたり背擦りをしたようです。ここがクマの生活圏であることをしっかりと意識して、音を出しながら周囲に気を配って歩いてください。

 さて、ここ数年利用されていた川沿いのルートが、6月末の大雨で橋が流失して使えなくなりました。以前のように、クチャンベツ川右岸沿いに付けられた高巻道を登り降りしてニシキ沢を左岸に渡渉する登山道に切り替えられています。今日は水量も少なく、一歩で渡れるほどの川幅でした。
 しばらく歩くと急な登りになりますが、水流によって登山道の侵食が進んでいます。「落石注意」のピクトサインの周辺は、後続の登山者がいるときは、落石を起こさぬよう、注意して上り下りしてください。

 沼ノ原湿原では、タチギボウシやエゾオヤマリンドウが紫の花をつけています。本日は霧のため視界が悪く、トムラウシ山は見えませんでしたが、モウセンゴケとナガバノモウセンゴケのちがいを見分けたりしながら植物を観察するにはいい時季です。晴れていれば、トンボも池塘の上を飛び交っています。

写真 ニシキ沢渡渉点 沼ノ原湿原 8/3

注意喚起

2022-08-02 11:15

気温 24

白雲小屋周辺を徘徊しているヒグマに注意

以下は白雲岳避難小屋からの情報提供です。

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7月27日から白雲岳野営指定地付近にヒグマが出没しています。
8月1日、2日(8:30分現在)同箇所で同じ個体と思われるヒグマが採餌しています。
テント場から10m程度の場所での採餌もあるため、テント場利用者には、ヒグマが居る場合は小屋への変更を提示しています。
登山者の声や姿にも全く反応せず、悠々と餌を食べているため、登山者が気が付かない場合、至近距離での遭遇となる可能性もあります。
8月1日は付近に別のヒグマ1頭も確認されています。
27日には高原温泉高根ヶ原斜面に10頭のヒグマが確認されていますので、この近辺は十数頭のヒグマが生活圏にしていると思われます。
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7月27日の当欄でも指摘しましたが、こういう個体に対しては、とにかくヒトの側が注意するしかありません。見通しのよい稜線上では常に周辺を見渡すようにし、見通しの悪いハイマツ帯では手拍子やホイッスルなどで意識して音を立てながらゆっくり歩くことを心がけてください。トレイルランのような登山道上を走る行為はリスクを高めますので、なさらないようにお願いします。